仲曽根糀屋

 皆さんご存知の通り、沖縄では昔から泡盛が愛飲されてきました。泡盛には黒麹が使用されています。また、島豆腐を泡盛で漬け込んだ「豆腐よう」も珍重されていますが、あの鮮やかなピンク色は紅麹がもとになっています。このように、かねてから沖縄の食には「麹」が深いかかわりを持っていたようです。しかし、現在多くの人が健康志向や味わいのまろやかさから用いるようになった、塩麹や甘酒の原料となる黄麹は島内でほとんど作られていませんでした。

 当時、広島に住まわれていた経験を生かし、那覇市内でお好み焼き店を営んでいた仲宗根悦子さんは、豊富な酵素栄養学の知識から、酵素を多く含む「麹」に着目されていました。しかしその麹を作っている店は島内にほとんどありません。そこで仲宗根さんは、「なければ自分で作ってしまえ」とばかりに、2012年に株式会社仲宗根糀屋を立ち上げました。
 「沖縄はたくさんの果物が一年中採れるのに、その消費量は全国27位と決して高くないんですよ。おまけに脂っこいものや肉をいっぱい食べてる。」と、仲宗根さんはうちなーんちゅの食生活を心配されています。ビジネスサプリメントアドバイザーの肩書きを持つ仲宗根さんは、麹製品の販売だけでなく、「知っとこ会」と称し、酵素を取り入れた食生活の提案や麹レシピの紹介を行うイベントを定期的に開催していらっしゃいます。まさに「美味しく健康に!」を島中に広めたいという情熱で麹と向き合っていらっしゃる方なのです。


 トックリキワタ珈琲店では、仲宗根糀屋の生糀から塩麹と甘酒を自家製造して、メニューに取り入れております。乾燥麹とはひと味もふた味も違い、力強さのある塩麹や甘酒が出来上がり、メニューの味わいをいっそう引き立ててくれるのです。
 また余談になりますが、仲宗根糀屋の会長さんは、珈琲好きか高じて、収穫された豆の精製から、焙煎、抽出までを全部ご自身で行うという、明らかに趣味の域を超えた離れ業をやられていた方でもあります。主だった自家焙煎のお店でも、豆は精製された生豆を業者から仕入れるのが普通ですが、会長さんは沖縄県産の豆にこだわり、その果肉はもちろん、ミューシレージやパーチメントと呼ばれる内側の皮まですべてご自身で取り除き、乾燥させていたというから驚きです。そのお話は大変興味深く、また愉快なもので、お店に伺った際、麹の話を聞くつもりが、ついつい会長の珈琲談義に聞き入ってしまいました。
 珈琲店で使う麹の話を聞きに行ったら、糀屋の会長は只者ではない珈琲通だった。なんとも不思議なご縁を感じずにはいられません。
そんな仲宗根糀屋の商品は、那覇市国場の店舗のほかにも通信販売や県内の取り扱い店舗でお求めいただけます。詳しくは仲宗根糀屋のホームページをご覧ください。

*文中の文字表記について、「糀」は商品名、店名を、「麹」は一般的な麹を表す際に使用しました。



仲宗根糀屋
〒902-0075 那覇市国場397-1
TEL:098-833-0710 FAX:098-851-9518
Mail:info@koso-okinawa.com
URL:http://koso-okinawa.com